コメント力

いいコメントとは何か？聴いた人の心に何か残すような一言--気の利いた一言、真実の一言、思わずクスリとする一言。そういうコメントをするにはどうしたらよいのかを考えさせる本です。

まず第一歩は、コメント力を意識することだと著者は言っています。他の人と違うことを言えるように、ちゃんと準備すること、そういう準備を念頭に、話を聞くようにするという姿勢が重要であるという点には賛成です。また、自分がどのような立場で発言するのかも考えなけばならないという点も大切です。友人としてのコメントなのか、教師としてのコメントなのか、それとも研究者としてのコメントなのか、そして、それぞれの立場で求められているコメントとはどんなものかを考えなければなりません。

と、ここまでのところは、ほんの前半を読めばよく分かるとことです。中盤のトレーニングは、具体例をあげ、解説をしているだけで、実際にはトレーニングという感じではありません。また、終盤の優れたコメントにかんする部分も、[エースを狙え！」や「バカボン」などのキャラクターを引き合いに出して、コメントの解説をしていますが、現実離れしたものが多く、参考になるとは思えません。

基本的な姿勢やコンセプトを理解するだけであれば、前半だけ読めばいいように思います。その部分を理解し、消化するのに９割の力を注いで、あとは流して読むことをお勧めします。